訃報が届き高速バスで横浜へ行ってきた。
お通夜は無理だったが、告別式と葬儀へ参列してきた。
棺の中の彼は安らかな顔をしていた。
お別れの時に唇をウイスキーで濡らした。
涙が止まらなかった。
30年以上も前のことだが、新人の僕らへ酒の飲み方と大人の振る舞いを教えてくれた方だった。
設計事務所はちょっとだけ普通の会社とは少し違った世界だった気がする。
上下関係はあったが、ガチガチの規律で縛られているわけでもなかったし、何よりも創造する世界にどっぷりと浸かっている時間が好きだ。それは今も変わらない。
おまけに酒にもどっぷりと浸かっていた。
そんな世界で10年、独立してからの3年間とてもお世話になった。
酒と釣りに関しては手取り足取り教えて貰ったものである。
この何年かは体調がすぐれないと聞いていたが、元気だという話も伝わっていた。
事実だれもがこんなに突然に逝くとは思わなかったと話していた。
後で聞いた話だが、事務所を卒業していった者達を気にしていたということだった。
あの時、電話をしなかった事が悔やまれる。
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